PR

プロ野球の「人的補償」とは?ルールや仕組みをわかりやすく解説!

プロ野球の「人的補償」とは?ルールや仕組みをわかりやすく解説! スポーツ

◆人的補償とは?
「人的補償」は、プロ野球のFA(フリーエージェント)制度に関連する仕組みの一つです。FA権を行使した選手のうち、AランクまたはBランクの選手を他球団が獲得した場合、元の所属球団に対して選手を1人譲渡する義務が発生します。

この制度は、FAによる戦力の不均衡を防ぐために導入されました。この記事では、人的補償の基本的なルールや対象選手、プロテクトの仕組みなど、気になるポイントをわかりやすく解説します。

 

スポンサーリンク
  

\お得な商品を発見!/ 楽天人気ランキングはこちら

FA選手を獲得すると、所属選手1名を譲渡する必要がある!

FA権を行使したAランクまたはBランクの選手を他球団が獲得すると、元の所属球団は戦力が低下する可能性が生まれます。そのため、これを補うためのルールが「人的補償」です。

人的補償とは、FA選手を獲得した球団が、チーム内の選手1名を相手球団に提供する仕組みを指します。相手球団は、自分たちが欲しい選手を指定して獲得できるため、獲得する側の球団にとっては、予想外の有望選手が流出するリスクがあります。

ただし、すべての選手が人的補償の対象になるわけではありません。「プロテクト制度」があり、後ほど詳しく解説します。

 

人的補償の対象となる「ランク」について解説!

FA宣言をした選手は、Aランク、Bランク、Cランクのいずれかに分類されます。これは、所属球団内の年俸順位を基準に決定されます。

  • Aランク:球団内で年俸が上位3位以内の選手
  • Bランク:球団内で年俸が4位~10位の選手
  • Cランク:球団内で年俸が11位以下の選手

AランクとBランクの選手を獲得すると、人的補償が発生しますが、Cランクの選手は補償の対象外です。

たとえば、FA選手がチーム内で5番目の年俸であれば「Bランク」に該当し、人的補償が必要になります。一方、14番目の年俸の選手は「Cランク」となるため、人的補償は発生しません。

ここでのポイントは、年俸の「金額」ではなく、球団内での年俸の順位が基準になる点です。

たとえば、FA選手の年俸が1億円であっても、チーム内の年俸が高い選手が多ければ「Cランク」に分類される可能性があります。逆に、年俸が8000万円の選手でも、年俸が高い選手が少ない球団に所属していれば「Bランク」となり、人的補償が発生することがあります。

 

「プロテクト制度」で選手の流出を防ぐ仕組み

人的補償では、すべての選手が無制限に対象となるわけではありません。FA選手を獲得した球団は、**28名の選手を「プロテクトリスト」**に登録することができます。

プロテクトリストに登録された選手は人的補償の対象外となり、元の所属球団が指名することはできません。

この「プロテクト枠」に入る選手は、主にチームの主力選手や将来有望な若手選手が中心になります。しかし、28名という人数には限りがあるため、すべての有力選手を保護することはできません。

そのため、プロテクトから外れた選手が人的補償で引き抜かれるケースが起きることもあります。これまでにも、有望な若手選手やベテラン選手が人的補償の対象となり、球団にとって大きな痛手になるケースがありました。

プロテクトのポイント

プロテクトできるのは28名まで
プロテクトから外れた選手が人的補償の対象に
若手の有望選手や実績あるベテランが流出するケースも多い
この制度があることで、FA選手を獲得した球団は、「どの選手をプロテクトするのか?」を慎重に考える必要があります。

 

人的補償の対象外となる選手とは?

FA権を行使した選手を獲得した場合、相手球団は「プロテクトリスト」を受け取り、その中から人的補償として獲得する選手を選びます。

ただし、次の選手は人的補償の対象にはなりません。

  • プロテクトリストに記載された28名の選手
  • 育成選手(人的補償の対象は支配下登録された選手のみ)
  • 外国人選手
  • ドラフトで指名されたばかりの新人選手

これらの選手は人的補償の候補から除外されるため、支配下登録されている上記以外の選手の中から1名を選んで獲得する形になります。

 

金銭補償も選択できる?

FA選手を獲得した球団は、人的補償の代わりに「金銭補償」を選ぶことができます。この場合、選手を獲得せずに金銭の受け取りだけで済ませることが可能です。

人的補償ではなく金銭補償が選ばれるのは、リスト内に欲しい選手がいない場合や、チームの状況から人的補償が不要と判断されたときです。

基本的には、人的補償が選ばれるケースが多いですが、金銭補償が選択されることもあります。金銭補償が選ばれた場合、FA選手を獲得した球団は選手を一人も失うことなく、FA関連の手続きが完了します。

 

人的補償を拒否することはできる?

人的補償で指名された選手は、基本的に本人の意思に関係なく移籍しなければなりません。ルール上、人的補償を拒否することはできないのが原則です。

もし拒否した場合、選手は資格停止処分を受ける可能性があるため、多くの選手は不本意であっても移籍を受け入れます。

ただし、過去には「移籍するくらいなら引退する」という動きを見せた選手もいました。このように、事実上の「人的補償の拒否」に繋がった例もありますが、あくまで稀なケースです。基本的には、人的補償で指名された選手はそのまま新しい球団に移籍する流れが一般的です。

 

プロテクトリストは公開されるのか?

FA選手を獲得した場合、相手球団が提出する「プロテクトリスト」が公開されるかどうか気になる方も多いでしょう。

結論から言うと、プロテクトリストは公開されません。このリストは関係者のみが閲覧できる機密情報であり、メディアや選手にも公開されることはありません。

プロテクトリストが外部に漏れたケースもほとんどなく、情報管理は非常に徹底されています。プロテクトされていた選手が誰なのかを外部の人が知る方法はありませんが、唯一わかるのは「人的補償で獲得された選手はプロテクトされていなかった」という事実だけです。

このように、プロテクトリストの内容は非常に厳重に管理されているため、外部に漏洩する可能性はほぼないと言えます。

 

まとめ

FA選手の獲得に伴う「人的補償」について解説しました。

人的補償には、選手の移籍や金銭補償の選択といった、球団同士の駆け引きが含まれています。FA選手を獲得する球団にとっては、自軍の選手が人的補償で移籍するリスクがあるため、FA選手を獲得するかどうかは慎重に判断する必要があります。

こうしたルールやリスクを踏まえて、各球団はFA選手を獲得するかどうかを見極め、最適な判断を下しているのです。

タイトルとURLをコピーしました