保険証の廃止に伴い、新しい選択肢として登場した「資格確認書」。
この書類は、マイナンバーカードを持っていない人や、カードを持っていても保険証としての利用登録をしていない人に、自動的に送付されます。また、すでにマイナ保険証を持っている場合でも、希望すれば申請して受け取ることができます。
ここでは、資格確認書のメリットとデメリットについて、詳しくご紹介します。
資格確認書とは?
資格確認書は、保険証に代わる新しい選択肢で、マイナ保険証と並行して運用されます。
簡単に言えば、これまでの保険証の名前が変わったようなもので、利用方法や仕組みはほぼ同じです。
もう一つの選択肢であるマイナ保険証と比べても、従来の保険証とほぼ同じ感覚で使えるため、「これまでと変わらない使い方がしたい」という人には適した選択肢です。
それでは、資格確認書の具体的なメリットとデメリットを見ていきましょう。
資格確認書のメリット
資格確認書には、以下のようなメリットがあります。
マイナ保険証を使うには、まずマイナンバーカードを作成し、さらに保険証として利用するための登録が必要です。しかし、資格確認書は対象者に自動的に送付されるため、特別な手続きは一切不要です。また、更新時にも自動で送付されるため、煩雑な手続きを省けます。
マイナ保険証では専用端末での読み取りが必要ですが、資格確認書はこれまでと同じように窓口で提示するだけで利用できます。「これまでの方法が楽」と感じる人には、この使いやすさが大きなメリットとなります。
資格確認書を紛失しても、マイナ保険証(マイナカード)を失った場合と比べて影響は限定的です。特にマイナカードは保険証以外の用途でも利用する場面が多く、紛失すると不便さが大きくなりがちです。一方、資格確認書は保険証としての役割に限定されているため、紛失した際の影響が比較的少ないと言えます。
資格確認書のデメリット
マイナ保険証に良い点と悪い点があるように、資格確認書にもメリットとデメリットがあります。ここでは、資格確認書のデメリットについて詳しく解説します。
資格確認書は従来の保険証と同じように使える点がメリットですが、その反面、マイナ保険証特有の機能を利用できないというデメリットもあります。
具体的には、以下のような機能が資格確認書では利用できません:
医療情報の共有
高額医療費の限度額を超える支払いの免除(手続き不要)
確定申告時の医療費控除の簡略化(マイナポータル使用時)
これらの機能が不要な方にとっては特に問題ないかもしれませんが、便利だと感じる方やこれらを活用したい方にとっては、不便に感じる場合もあるでしょう。
現在、資格確認書は今後も利用できるとされていますが、長期的に見た場合、その制度がずっと続く保証はありません。一方で、マイナ保険証は10年、20年といったスパンで廃止される可能性は低いと考えられています。そのため、資格確認書の長期的な運用については多少の不安が残ります。
(もっとも、数年以内に資格確認書が廃止されることは考えにくいですが。)
以上の点が、資格確認書における主なデメリットです。
なお、今回の説明では、利用者に直接影響があるメリットやデメリットを中心に解説しました。不正利用の防止や医療機関の負担軽減といった側面は、一般の利用者には直接関係がないため、ここでは取り上げていません。
どちらにも一長一短があることを踏まえ、自分に合った選択をしてください。
まとめ
資格確認書のメリットとデメリットについてご紹介しました。
メリットとしては、手続きなしで簡単に受け取れる点や、従来の保険証と同じ感覚で利用できる点があります。一方、デメリットとして、マイナ保険証ならではの便利な機能が使えないことや、制度の将来性が不透明であることが挙げられます。
どちらが良いかは個々の価値観や生活スタイルによるため、自分にとって使いやすい方を選ぶことが大切です。それぞれの特徴を理解し、納得のいく選択をしましょう。