驚くことに、これまで日本の紙幣に選ばれた女性はたったの3人しかいません。
樋口一葉の名前はよく知られていますが、他の2人については知らない方も多いかもしれません。
紙幣に選ばれるというのは非常に名誉なことですが、今回はその女性たちに共通する点についてご紹介します。
2024年7月3日、日本の1万円札、5000円札、1000円札が刷新されました。
新しい紙幣には1万円札に渋沢栄一、5000円札に津田梅子、1000円札に北里柴三郎が描かれています。
紙幣に選ばれた女性たちの共通点
財務省が紙幣に描かれる人物を選ぶ際には、次の3つの基準が重要視されます。
これまで日本の紙幣に描かれた人物は20名ですが、女性はわずか3名。
津田梅子、樋口一葉、そして神功皇后です。
ここでは、この3名の女性が日本に与えた影響とその功績について見ていきます。
最初の肖像入り紙幣に選ばれた「神功皇后」
国立印刷局によると、1881年に発行された「改造紙幣」は日本初の肖像入り紙幣で、その肖像に選ばれたのが神功皇后です。
神功皇后は、第14代天皇である仲哀天皇の后であり、伝説上の人物として知られています。
『日本書紀』や『古事記』には、彼女が朝鮮半島との関わりを持っていたことが記されており、その勇敢な行動が評価されています。
「樋口一葉」女性作家としての挑戦
日本の紙幣で初めて女性の肖像が採用されたのは、作家の樋口一葉です。
彼女は2004年に改刷された5000円札に描かれ、代表作には『たけくらべ』や『にごりえ』などがあります。
当時、女性が作家として活躍することは非常に困難でしたが、彼女はその壁を乗り越え、多くの作品を生み出しました。
彼女の作品は、社会の不平等や女性の置かれた立場を描き、共感を呼びました。
女子教育のパイオニア「津田梅子」
津田梅子は、日本で最初の女子留学生として6歳でアメリカに留学しました。
帰国後、彼女は女子教育の重要性を強く訴え、津田塾大学の前身となる女子英学塾を設立しました。
梅子はその生涯を通じ、多くの困難に直面しながらも、自らの知識や経験を次世代の女性たちに伝えました。
彼女の努力は、今日の私たちが享受する社会に深い影響を与えています。
なぜ政治家はお札に選ばれにくいのか?
普段何気なく使っているお札について、少し掘り下げてみましょう。
これは2024年7月に新しいお札が発行される前のお話です。
皆さんご存じの通り、お札には歴史的に重要な人物の肖像が描かれています。
現在、千円札には野口英世、五千円札には樋口一葉、一万円札には福沢諭吉が採用されています。
彼らはみな、日本の歴史に大きな影響を与えた偉人です。
そして、彼らにはある共通点があります。
お札に選ばれるのは主に文化人
その共通点とは、全員が「文化人」であることです。
福沢諭吉は教育者として慶應義塾大学を設立し、野口英世は細菌学者として活躍し、樋口一葉は作家として知られています。
お札に描かれる人物の選定基準
お札に描かれる人物として男性が多い理由の一つには、偽造防止の観点があります。
ヒゲやシワが多い顔は、偽造が難しいのです。
五千円札に選ばれた樋口一葉は女性であり、ヒゲやシワが少ないため、紙幣にする際に技術的な困難があったと言われています。
しかし、現代の技術の進歩により、女性の肖像も次第に採用されるようになっています。
お札に選ばれる人物の共通点
お札に採用された神功皇后、樋口一葉、津田梅子に共通しているのは、困難に立ち向かい、社会に大きな影響を与えたという点です。
彼女たちの偉業は、紙幣を通じて広く伝わり、その生き方や功績が再評価されることが期待されています。